株式公開買付とは、買収対象企業の株式を買い集めるために、市場の投資家たちに呼びかけて実際に株式を買い付けることを言います。後ほどわかりやすく具体例で説明しますが、まずカタカナ英語での呼び方を見てみましょう。
日本では株式公開買付のことをTOBと略して呼ぶことが多いです。「Take-Over Bid」の頭文字をとったものです。一方で公開買い付けのことを「Tender Offer/TO」と呼ぶこともあります。
何がどう異なるのでしょうか。
一つの違いは、TOBの方はイギリスでの使われ方なのに対して、TOの方はアメリカでの使われ方だということです。無論、グローバルビジネスの世界は国籍が入り乱れているので、明確には線引きできませんけどね。
さて、具体的に公開買い付けのイメージをつけておきましょう。
妄想話をします。もちろん事実ではありません。ウォルト・ディズニー・カンパニーの株式をあなたとあなたのご両親が1株ずつ、合計3株持っていて、それが発行済み株式総数だとします。すると、もしディズニー社の経営権を奪いたければ、僕は2株以上を手にする必要があります。株価を1000ドルとしておきましょう。
僕がTOBを仕掛ける場合、(あなたとご両親)3人のうち2人が「株式を売ってもいいや」と思えるような価格を提示しなければ売ってはくれません。
僕が1300ドルで売ってくれませんか?と呼びかけたとしましょう。300ドルのプレミアムが乗っていることになります。
あなたの両親は「1300ドルで売れるなら美味しい話だわ」と思って売ってくれましたが、あなたは「いや、この株はいずれ2000ドルになるだろうから安すぎる!」といって売らなかったとします。
でも、この状態なら僕は2株を手にするので経営に介入できるというわけです。これがもっと大きなスケールで起きるのが株式公開買付です。
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名著です。公開買い付けに興味がある方は一読をお勧めします。
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