モニタリングとは、一般的には「監視すること」「観察すること」といった意味を持つ普通の言葉です。親が子供を監視する、などの意味で使います。しかし、ファイナンス文脈では少しだけ意味が異なってきます。
例えば、銀行業務という文脈であれば、モニタリングとは貸した相手がしっかりと契約を守ってくれているかを監視するという意味があります。完全に対等ならいいんですが、銀行でお金を貸すときには、どうしても情報の非対称性が生まれてしまいます。これを補うのがモニタリングなのです。
もちろん、銀行側の方が情報不足ですよ。似た例だと、生命保険などもあります。体の調子悪いなぁ、と思って生命保険に入ったとしても生命保険会社側がそれを見抜くのは至難の業です。よって情報の非対称性がある例と言えると思います。
さて、コーポレートファイナンスの文脈でモニタリングと聞くと、取締役会のモニタリングモデルのことも頭に浮かびます。
2015年に施行されたコーポレート・ガバナンス・コードでは、
- 取締役会が経営の方向性を決定する
- 個別の事業執行は経営陣に委ねる
などといったことが取り決められています。要するに、取締役は経営を実際に行う経営陣たちを「監視する」という役割に徹しましょうね、ということです。
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モニタリング・モデルを採用する会社における監査委員会等の監査について