不換紙幣とは簡単に言えば、金貨や銀貨といったようなそれだけで価値を持つものとの交換ができない紙幣のことを言います。
これを難しくいうと、本位貨幣(正貨)との兌換が保障されていない紙幣、という表現になります。
歴史的に1番古いものは、中国王朝の宋代に普及した「交子」というものとされています。これは元々は銭の預かり証として機能していたのですが、たくさん発行されるようになると次第に不換紙幣のようになっていきます。
この後、19世紀から20世紀半ばごろの紙幣は金や銀との交換が前提とされる兌換紙幣だったために、これに対して不換紙幣という呼称も生まれてきたのです。
日本の歴史では、1929年の世界恐慌を受けて、1931年に犬養毅内閣が金本位制を停止したことで事実上、日本銀行券は兌換紙幣ではなくなりました。戦後に入ると、ブレトン=ウッズ体制のもと、金1オンス=35米ドルという金本位制となり、日本円もアメリカのドルと固定相場制で為替レートが固定されました。いわゆるニクソン=ショックの時期、1973年に変動相場制に移行していきました。
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